姉と私とスノボーと

年明け迫るある12月30日夜中の出来事でした。
なんやかんやと夜寝ないで起きていると、午前12時過ぎ(むしろ一時に近く)に、
姉から電話がかかってきました。


その時姉はスノボー旅行中。
本当はその日の夕方頃に帰ってくる予定だったのですが、帰ってきませんでした。
そんなわけで
いい予感がしません。

でも電話を無視するわけにもいかないので、出ます。

「もしもし」
『あ、もしもし?』
「どーしたの?」
『あのさぁ、ちょっと頼みがあるんだけどさぁ』
「なに?」
『これから最寄り駅までチャリンコで迎えに来てくんない?』


ほ〜らいらっしゃった。


「えー、めんどいよー」
『お土産あるから』
「アッハッハー、やだなぁお姉ちゃん、私が行かないとでも思ってるの?」
『だと思った』
「そうでしょ?」
『じゃー今この電話電池ヤバイからもう通話できなくなるだろうけど、待ってるからね!』

姉はサックリ切ろうとしました。
しかし私は気を利かせて、

「お姉ちゃんのチャリで行ったほうがいい?」

と聞いてあげました。

私のチャリンコはステップがついてないので、二人乗りには向いてないのです。
すると姉、

『あー……いいよ、どっちか出しやすいので』

と、珍しく妹をいたわる発言。

「分かった、じゃあちょっと待っててね!」

言うが早いか、向こうから切れる電話。
ちょっと寂しくなりながらも服を着替え、姉を迎えに行きます。

しかし、それまでこたつ天国に浸っていた私には外気の冷たいこと冷たいこと!
とっとと姉を拾って家に帰ろうと、駅までの道をひた走ります。

駅に続く大通りに出て、なおもしばらくこぐと…………

前方にぽつんと立っている二人組み発見。
二人いるんだし姉じゃねぇなと見て見ぬフリをかましつつ、心の中は嫌な予感メーターが悲鳴をあげました。
さらに近づくと、その二人組みの一人が私に向かって手をふりました。


してやられました。


私「お、お姉ちゃん!?」
姉「え? どうしたの?」
私「あんた…………あんた…………あんたなんで!」
姉「え?」
私「なんでボードと一緒に帰って来てんだよーー!!」

数年前スノボにハマった姉は、なんとマイボードを持っているのですよ。
ですのでスノボに行く時は必ずマイボード持参なんです。
そんで必ず郵送するんです。
なのに

今、目の前に、ひと〜りのバカ〜(『一つの朝』のメロディで)

二人だと思っていたもう一人は実はボードだったってオチですよこれ。

姉「だってさぁ、送ろうかと思ったらもう出発とか言われたんだよ!」
私「でも行きはちゃんと送ったんでしょ!? なら他の人もお姉ちゃんが郵送って分かってるハズじゃ……!」
姉「ううん、行きも持参」

今、目の前に、ひと〜りのアホ〜(『一つの朝』のメロディで)

私「行きは大丈夫で帰りはダメだったの!?」
姉「行きは何とかなると思ってたんだけどさ、帰りはさすがにね〜。
途中でご飯食べて帰ってきたりしちゃったもんだから、余計重くてさ〜」
私「…………で、これからどうやって帰るの?」
姉「え? そりゃあ……」


そりゃあ?


姉「チャリにスノボ乗っけて帰るに決まってるじゃん!」


あなたの中でだけね。


私「…………もちろん、押してだよね」
姉「乗れないでしょ」
私「知ってた」


そんなわけでスノボをチャリンコにのせ、夜中の十二時過ぎに姉と歩いている私。
泣けませんでした。
しかも姉はヤレ曲がってるのヤレずり落ちるの注文のうるさいことうるさいこと。

こっちはボランティアで来てやってんだぞ、文句言うな!

……っていえない自分が憎いです。


私「そういえばさお姉ちゃん」
姉「ん?」
私「なんで私に電話かけてきたの?」
姉「あんたなら起きてると思ってさ」


早寝早起きは三文の得って、こういう時が使いどころなんですね。




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